本研究では、光パラメトリック発振器を励起する分散整合したモードロックレーザーをベースとした「コヒーレントラマンイメージング用・高速・波長可変・デュアル出力・全ファイバーレーザー光源」について述べる。出力するポンプ光とストークス光の最大出力は、それぞれ170mW,400mWであり、生成可能なパルス幅は両方とも7ピコ秒である。波長可変機構には機械的遅延ラインは不要で、任意波長の切り替えを5m秒以内で2700cm-1以上に亘ってすべて電子的に行うことができた。コンパクトなセットアップで25m/s2以上の耐衝撃性を有するような信頼性のある動作を実現しており、ゆえに、移動式カートに載せて動作させるのに最適である。このポータブル光源と実験室にある商用の参照システムの両方を用いてマウスと人の皮膚組織のイメージングを行うと、質的に同等の結果が得られ、ポータブル光源がコヒーレントラマン顕微鏡に適していることが確認された。