熱影響を抑えてシリコンを高精度加工~2 µm帯フェムト秒レーザーが変える半導体プロセス|RayVen社 RayVen-L
2025年 04月07日
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🖊 シリコン加工の課題とは?
半導体製造において、シリコンやゲルマニウムといった高硬度材料の微細加工は、
製品の性能や歩留まりを左右する重要な工程です。
中でもスクライビング(溝加工)やクレービング(分割)は、
熱による歪みやバリの発生が問題視される場面が多く、加工精度や再現性の向上が求められています。
そうした中で注目されているのが、2 µm帯フェムト秒レーザー「RayVen-L」による新たな加工手法です。
RayVen社は、ドイツのルール大学ボーフムの研究グループからスピンオフしたレーザーメーカーで、
世界で唯一、2 µmの波長に特化した超高速レーザーを開発・製造しています。
🖊 RayVen-Lで解決できること
RayVen-Lは、2085 nmという赤外域の波長を採用しており、
シリコンやゲルマニウムへの深部エネルギー伝達が可能です。
さらに、750fsの超短パルスにより熱拡散を最小限に抑えた加工を実現。
従来の1 µm帯レーザーでは対応できなかった深部・精密加工や非熱的プロセスへの応用が期待されています。
🖊 主な特長(仕様一覧)
波長:2085 nm(シリコン・ゲルマニウムに透過)
パルス幅:750 fs(フェムト秒領域)
パルスエネルギー:最大1 mJ(深部加工に最適)
繰り返し周波数:10–100 kHz(可変)
平均出力:最大10 W
ビーム品質:M² < 1.2(高精度加工対応)
出力安定性:0.35%(RMS)以下
冷却方式:水冷式
◎製品の詳細仕様はこちら
🖊 活用事例:精密スクライビングとクレービング
RayVen-Lは、350 µm厚のシリコンウェハに対するクレービング加工において、
マイクロクラックのない滑らかな分割面を形成。
さらに、ポリマーやガラス材料に対するライン加工にも対応しており、
複合基板や多層構造への応用も可能です。
また、10〜100 kHzの可変繰り返しにより、
加工速度と品質のバランスを自由に最適化できる点も大きな魅力です。
🖊 加工現場で求められる「安定性」と「使いやすさ」
RayVen-Lは、水冷式の熱安定設計に加え、誤調整不要の光学系と
堅牢な筐体構造を採用しています。
24時間連続稼働が求められる製造ラインでも、
出力変動 ±0.35%以内という高い安定性を維持。
装置メンテナンスの手間を削減し、
長期的なTCO(総所有コスト)を抑える点でも高く評価されています。
🖊 最後に:加工精度と安定性に妥協したくない方へ
「1 µm帯レーザーでは加工品質が足りない」
「深部加工で熱変形が出てしまう」
そんな課題をお持ちの方には、RayVen-Lが強力な選択肢になります。
半導体製造の精度向上・差別化技術として、2 µm帯フェムト秒レーザーの導入をご検討ください。
➡ 詳細なご相談やお見積もりはこちらよりお気軽にご連絡ください。