全スペクトル波長可変レーザーの出現による先端増強ラマン分光法の実現

2019年 07月31日

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フォトニクスの研究にあたって、ナノメートルの分解能で新材料の特性評価を電子的に且つ振電的に行いたいという研究者の欲求に突き動かされたナノイメージング技術をさらに向上させるための多大な努力が必要とされる。先端増強ラマン分光法(TERS)は、大いに認知されているアプローチ法であり、探針の先端に局在化するラマン散乱光を強く増強して原子レベルで測定する手法である。しかしながら、とりわけ可視スペクトル領域全体にわたって波長可変なレーザー光が得られるレーザーがなかったために、これまでのTERSの実験の大部分は単一の励起波長帯に限られてきた。最近の研究では、波長可変光源の連続波光パラメトリック発振器をTERSのセットアップに組み合わせることで、カーボンナノチューブにおける励起波長に依存したハイパースペクトルイメージングでの観察が可能となっている。本論文では、実験の背後にあるレーザー技術について考察し、本手法における広範囲の潜在的な可能性を検証する。

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