本稿では、コロナウイルスの細胞侵入に必須のプロセスである、コロナウイルス媒介膜融合を測定するためのプロトコルを紹介する。このアプローチでは、ナノルシフェラーゼ(Nluc)「HiBiT」タグ付きコロナウイルス様粒子(VLP)と、Nluc「LgBiT」含有細胞外小胞(EV)をそれぞれウイルスと細胞のプロキシとして用いる。VLP-EV膜融合により、HiBiTとLgBiTは測定可能なNlucに結合することになり、これはウイルスが標的細胞膜と融合したことを示す。本稿では、コロナウイルス媒介膜融合と、抗体および抗ウイルス剤によるその阻害を評価するためのアッセイの有用性について強調する。 本プロトコルの使用および実行に関する詳細は、Qing et al. (2021)、1 Qing et al. (2022)、2 Marcink et al. (2022)、3 を参照のこと。